2日目。予報どおり朝から雨が降っていたので、どこぞの文豪よろしく宿に籠って執筆作業に勤しもうかと思いましたが、3日目の午前中も天気が回復するかわからない状況でした。できれば3日目は帰るだけにしたい・・・。調べてみるとバスを乗り継いで榛名神社まで行く方法がありましたが、接続に1時間待ちとか効率が悪く下手すると宿に戻ってこられない可能性がありました。それと思いついたのが朝ごはんを食べてから少したってからだったので最初のバスは行ってしまっていました。ですので天気は悪かったのですが乗り継ぎの営業所までの13kmを自転車で行こうと決めました。
ところが昨日下ってきた坂のところを横切ろうとした瞬間に考えが変わり、気づいたら坂を上り始めていたのでした(汗)・・・計画がほぼ思いつきで遭難しそうになったり、予定がころころと変わるので他人と旅はできないなぁと坂を上りながらつくづく思いました。(←この旅の反省2)要は思慮深さがなく落ち着きなく思いつきで動いてしまう・・・こともないのですが、詰めが甘いのだと思います。
でも野生の感は正しかったようで(だから反省しても治らない。死なないと治らないと思います。)自転車で行ってよかったです。坂は確かにちょっとつらかったのですが、神社までなら榛名湖までの2/3くらいの距離で済みましたし、前日の反省から遠慮なく坂を蛇行しながら上ることで負荷を減らしました。
(いつもは坂にも真っ向勝負で駄目なら潔く降りて押します)
蛇行なんて結局は距離を走るので疲れると思っていましたが、どうやらそうでもないことがこの歳でようやくわかりました。カーブの部分も含めて坂の傾斜を計算しながら走るのがちょっと楽しかったです。(前日と比べると精神的にだいぶ余裕があったようです)
到着したのが12時半くらいで、バスだとしたら営業所を発車しているけど神社へは到着していないくらい。自転車だと帰りはほぼ下りでバスの乗り換えを心配することなく途中唯一のコンビニへも気軽に寄り道できます。自転車万歳でした。でも出発時は小雨だった雨が結構な降りになっていて宿に戻る頃には前日と同じくらいびしょ濡れでした。
榛名神社は前情報なく気分で行ったわりにはとても良いところでした。雨で人の少ない参道から境内をゆっくり歩きながら満喫しました。(鳥居から拝殿までがとても遠いです)
拝殿が岩山に囲まれていて、いったい誰がこんなところに作ろうとしたのか誰が作ったのか不思議に思いました。(雨、すごく降ってるでしょ。)
目当てだった交通安全ステッカーも入手して(たい焼きカーの後ろに貼ってあります)、もうひとつの目的だった民族資料館にも行けました。民族資料館は少し小さかったけど神社の成り立ちや地域の方々の志向というか教育方針みたいなのがわかってよかったです。民族資料館というとお堅いイメージがありますが、昔から今までの暮らしの変わりぶりを東京や自分の住む地域と比較すると面白いですし、戦時中の学童疎開先だったが寒さに耐えられない子供が多く下山したとか当時に想いを寄せるのは赴き深いものです。
連泊して余裕を持って来られてよかったです。
宿に戻ったら早速冷え切った体を温泉に・・・。
地元のおじさんの方言で交わされる会話に聞き耳を立てて入るのも楽しいものですが、その日の晩の宿泊は自分のみだったので朝風呂まで貸切りで気兼ねなく温泉を堪能しました。
(そんな多くの温泉に行ったことがあるほどマニアではありませんが、泉質の独特な感じは今までで一番でした)
3日目は高崎駅まで戻りつつ焼き饅頭を食べるのが目的。30㎞弱走ってオリタという絶メシに認定されているお店に寄りました。自分が行ったときは先客がおらず店のおばさんと多少の会話が楽しめました。私の自転車を一目見て「普通のより少し小さい?」って気づけるあたりに洞察力の鋭さを感じました。いろんなお客さんが来るのでしょうね。繁盛ぶりが伺えました。生地は既製のもののようでしたが、味噌だれが各店違っていて面白いです。榛名神社の参道で食べたのも美味しかった。多分、味噌だれが好きなんだと思います。味噌田楽もそうだし五平餅なんてのも大好き。甘いものが苦手なかた向けにいつか店で売ろうかな。
上がオリタ(奥が餡入りで手前がノーマル)で下が榛名神社参道の店のもの。
餡が入ったものはパサついて美味しくないのでノーマルが断然おススメ!
(富士山一週のときに道の駅で食べたおやきも餡のやつはパサついて美味しくなかった。なんていうか中華まんの温めに失敗したときみたいな感じ。たい焼きも焼き過ぎないよう気をつけます)
他には高崎駅近くであんみつを食べました。店内に張り子の置き物がたくさんあるなぁと思っていたら、全てストーンペインティングなんですって。店主の亡きお父様が本業の傍ら作りためた作品を人の目に触れるように展示しているとのこと。いい話やなぁ。それにしても本格的。ひとつ記念に欲しかったのですが、思い出の品に値段をつけることがためらわれ言い出せませんでした。
そんなこんなで無事に高崎へ到着。自転車をコンパクトに折りたたみ(昔は袋に収まらないのではとひやひやしたこともあったけどだいぶ慣れました)、1日自転車をこいで行った距離を電車で4時間ちょっとで帰ってきたのでした。
2年前に中古で買った自転車。15年前にこの自転車を見たときにはカッコ悪!って思ったけど、輪行に興味を持ったときにたどり着いた一台がこれだった。ちゃんと乗るのは年に数回だけど大切な相棒。下田、由比、御前崎、富士山一周についで5回目の輪行。箱根越えがないので楽かと思いましたが最後に難関が待っていました。今回はちょっと体力の衰えを感じたので来年はもうちょっと夏に鍛えようと思います。
それにしても榛名山、なかなかよかったなぁ。圏央道で2時間くらいで行けそうなので今度は家族で行きたいと思います。