高崎市街地を抜けるとゆるい上り坂が始まります。3年くらい前に榛名湖マラソンの試走をするのに高崎駅前で車を借りて榛名湖まで行ったことがあります。距離が長かった印象はありますが、特別勾配がきつかった記憶はなかったので(そりゃ車ならアクセル踏むだけだからそうか・・・)、このままゆるゆるとゴールするんだろうなくらいに甘く考え、食べ物のストックは全くなく飲み物もボトルの半分くらいでした。
雨がぱらぱらと落ちてきました。
早起きしたせいかエネルギー切れだったのかいろいろ含めた上での現実逃避だったのか異常に眠くなりました。目を瞑りながら自転車を押していたら徒歩で唯一すれ違ったおじさんに「辛そうだけど大丈夫?」と声をかけられました。「あと10km弱なので大丈夫です」なんて答えたものの上がれば上がるほど勾配はきつくなり本当につらかったです。前回の富士山一周のときも似た状況はありましたが、その時はすぐに下りになったので助かりました。今回は先が長く完全な低血糖状。下りでない限り自転車に乗ろうという気が起きませんでした。しまいには雨も強くなってきて自転車を押しているだけなのに鼓動が聞こえて来る始末。時々すれ違う車にギブミーチョコレートしようって何度も思いました。それでも変なプライドというか羞恥心が許さず・・・。こんな人間は野垂れ死にとかろくな死に方しないんだろうなって何度も思いました。(←この旅の反省1)
救いはアスファルトの上だったこと。それとスマホの地図で先が見えていたことです。山中だったら完全に遭難でした。山にチョコや飴を持っていく意味が自転車旅なのによ~くわかりました。飴ちゃん、大事です。
ようやく上りきったどしゃ降りで景色の悪い榛名湖。出発から157km。17時を告げるチャイムが湖畔に鳴り響きました。雨でひと気がないせいか早仕舞いしている土産物屋の自販機で甘い飲み物を4本くらい買って一気に飲みエネルギー切れは解消されました。それと同時に急激な冷えが襲ってきました。標高1000mくらいある場所なので実際に寒かったのかもしれませんが。そこから宿までの15kmの下りは寒かったです。
下りた先のコンビニで夕ご飯を買い、ちょっと迷って(笑)19時過ぎに宿に到着したときには心底ほっとしました。予定では一泊の予定でしたが、連泊をすることに決めました。
なぜ連泊にしたかというと翌日の天気も悪そうだったからです。靴の中がびしょ濡れになるとかなりテンションが下がります。濡れた自転車を折り畳み、濡れた服で電車に乗り最寄り駅で組み立ててまた雨の中を・・・なんて考えただけで嫌です。そしてどうしても榛名神社と民族資料館へ行きたかった。
明日の天気がどうであれ、いつでも動けるように靴を乾かさなくては。フロントで新聞紙をもらって詰めました。そして寒いのもあって暖房を遠慮なく使いました。大げさかもしれませんが命を保障される環境が幸せでした。
つづく。