うちの売りはもちろん「つぶしあんのたい焼き」なのですが、うれしいことに量り売りしているあんこ(100g180円)だけをお求めになる通な方もいらっしゃいます。
年末年始には日頃の感謝の意味も込めて特典付きで予約を受け付けたりもしますが、通常営業でも100gから販売しています。
年始に常連のヤマちゃん(マラソンの速い女性で裏稼業がご夫婦で殺し屋)があんを買われた際に「おしるこにすると薄まってしまうのでもったいないのでそのまま・・・」と仰いました。
それを別の常連のお菓子のお姉さん(お菓子教室に通うセレブ風。毎週たい焼きはその場で1枚、あんの量り売りも必ず)に伝えると「ここのあんはそれだけで和菓子として成立しているから」とお褒め頂きました。
それを更に常連さんのオーバさんご夫妻(お菓子のお姉さん同様、たい焼きと量り売りを必ずご利用される超常連さん。ダイエー藤沢店以外は全ての場所にいらっしゃっています)に伝えると旦那さんがウンウンと納得した様子で「いつも上質な餡をありがとうございます」とお言葉を頂きました。(旦那さんはトーストにたっぷりとあんを塗って召し上がるそうです。)
という具合にいいお客さんに恵まれて幸せなわけですが、気をよくした私はちょっと試してみようと思いまして・・・。
3月22日と23日限定で無農薬小豆(15年以上農薬を使用していない畑で栽培されたものです)を使用したスペシャルなたい焼き(といっても小豆が高価なのであって味はほぼ変らない気がします)を提供中です。
2日あわせて限定550枚。終了したらいつもの小豆になります。
先ほど食べ比べしましたがほぼ変わりませんでした(汗)違いがあるとしても私の工程上の誤差だと思います。
風味がどうとか全くないように思います。
開業してから12年間、営業期間中はほぼ2日に1度の頻度で餡を炊いています。
北海道の豆問屋さんにその時々の良い小豆を卸してもらっています。
薄々気づいていたのですが、私が餡を炊くとある程度以上のものは良くも悪くも同じ魔法がかかり同じように仕上がるようです。
魔法というのはどういうことかというと、柔らかく煮えた小豆を火に掛けながら砂糖を加え、いい硬さになるまで焦げ付かないように混ぜる工程で込められる想いです。
以前も古いブログに書いたことがありますが、江の島のお饅頭屋さんの店頭の能書きによると手練りで餡を仕上げる店は皆無だそうです。
おそらく重労働なのとグツグツに煮えた餡が飛び散るので危険だからかと思います。
そこを私はモーター式の撹拌機を使わず、75cmあるしゃもじ(業界では宮島といいます。75より長いかも90くらいか?)で数十分間、延々とかき混ぜます。
そんなことをしていると自然と営業中のこととかお客さんのことが想いだされ、「おいしく仕上がりますように♪」という魔法がかかるのだと思っています・・・。
まぁどこまで本気なのかはわかりませんが、どんな品種の小豆でも、一般流通のでも無農薬のでも・・・北海道の農家さんの良心の下で育ったある程度以上の小豆であれば美味しく炊く自信がありますのでこれからも安心してお召し上がり下さい。
ではまた明日。
ご要望があればまた無農薬小豆、使います。